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学校で心理学を学ぶ

本の山

ここまで「心理学を学ぶことはHSPの理解に役立つ」ことをお伝えしました。心理学を学ぶための選択肢として、次に「学校で学ぶ」ことを取り上げたいと思います。


正直なところ、大学などの教育機関で心理学を学ぶことのメリットは大きいです。なにより、心理学の専門家(研究者・臨床家)から直接学ぶことができますし、心理学を体系的に学ぶことができるカリキュラムが提供されています。


このように初学者にとって学校で学ぶことは魅力的ではあります。とはいえ、いわゆる「社会人」にとっては、なかなかハードルが高いように思えます。このページでは「社会人が学校に通いながら心理学を学ぶ」ことについて考えていきましょう。

大学入学は社会人にはハードルが高い?

ご存知のように、大学の正規課程に入学するには、入学試験をクリアする必要があります。そのために受験勉強をする必要があったり、いろいろな準備が必要です。


一般的な企業に勤める社会人にとっては、時間的な制限もあります。金銭的な負担も小さくありません。


少なくとも今の日本の制度下においては、社会人が働きながら「昼間」の授業に出ることはとても厳しいと言わざるを得ません。


そうすると、「夜間」に開講される「通信制」の大学などが選択肢として絞られるかもしれません。しかし、本サイトの運営者が知る限り、夜間開講で心理学を学べる大学はきわめて限られています。「大学 夜間 心理学」というキーワードで調べてみると、以下のサイトが見つかりました。

これらの情報をみるとわかるように、やはり夜間で心理学を学べる大学はほとんどないようです。

大学院という選択肢

その他の選択肢を考えてみると、「大学院」が挙げられると思います。日本社会の現状として、大学よりも大学院のほうが、社会人向けかもしれません。

例えば、本サイトの運営者が研究員として在籍していた研究室(東京大学大学院教育学研究科)では、社会人として長年ご活躍されたのちに大学院に入学する方や、企業に勤めながら在籍される方もいました。子育てをしながら研究活動をされている方もいます。もちろん、大学卒業後すぐに大学院進学する人もやはり多いです。

社会人大学院生の割合は学校や研究室によります。本サイトの運営者が在籍していた東京大学の研究室では、4~5分の1程度が社会人だったように思います。それよりも前に在籍していた中央大学の研究室では、社会人大学院生はいませんでした。

修士課程の場合、基本的に2年で修了ですが、社会人の方は「長期履修制度」を利用して3年ないしは4年で修了される方もいます。

大学院にもよりますが、大学院の授業は夕方以降に開講されることも多く、その点でも社会人向けかもしれません。

ただ、ここでもハードルとして挙げられるのが、「大学院入試」と「学習費用」でしょう。心理学系の大学院に入学する場合にも、試験をクリアしなくてはなりません。加えて、入試の問題は大学よりも専門的になります。心理学系大学院入試に特化した予備校もあるくらいです。

試験の内容についてみてみると、その大学院に在籍する先生の専門分野から問題が出題されることが多いように思います。また、日本語だけでなく、英語論文の読解を出題する大学院もあります。試験問題の傾向を把握するには、過去問が役に立つでしょう。

以上のような背景もあり、大学院から初めて心理学を学ぼうとする方々にとっては、大学院入試が関門となりそうです。

放送大学という選択肢

第3の選択肢は「放送大学」です。ハードルとしては、大学院よりも低いかもしれません。学費は4年間で70万円前後というのは、大きな魅力でしょう。学生証も発行されるので、各種学割等も利用できます。


心理学に限って言えば、放送大学のオンデマンド授業には、さまざまな大学から著名な先生がご担当されている印象があります。


オンデマンド形式なので、良い意味で、融通が利きにくい社会人には、メリットが大きいと思います。一方、オンデマンド形式なので、悪い意味で、学習のモチベーションが上がりにくい可能性もあります。


放送大学のすごいところは、放送大学大学院の修士課程に進み、修了後に、1年間の心理学の実務経験を経ることで、臨床心理士の受験資格も得られる点です。また、2019年度からは、公認心理師資格にも対応したカリキュラムも提供しています。


 次のページでは、「大学でHSPを学ぶことができるかどうか」についてご紹介したいと思います。